2007-01-22

脱線事故と事故調報告と原因解明の道

事故調説明会、原因徹底解明求める声
読売新聞

JR福知山線脱線事故で、国土交通省近畿運輸局は20日、同省航空・鉄道事故調査委員会(事故調)が昨年12月に公表した事実調査報告書について、事故被害者への説明会を兵庫県・・・
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説明会では事故原因の徹底解明を求める声が相次いだようである。
私は当事者ではないので、新聞などの記事を読む範囲でしか判断できないが、木を見て森を見ず状態になっているような気がする。
この記事に関してコメントするならば、死亡した運転士の心理状態の解明と言っても、既に亡くなっているので、時間と手間をかけても、あまり解析は進まず、類推が増えるばかりとしか思えない。
どちらかというの現在の実際に業務に就いている運転士の心理状態から、現在の運転士を取り巻く環境を改善することを急ぐべきである。

先日の航空機パイロットの訴訟に事故調査委員会報告書を証拠として裁判所が採用した事が問題になっていた。
事故調査委員会の報告書は、裁判で争うため、過去の罪を問うための調査資料ではない。
未来の事故を減らすために、どうしたら良いかを調べた結果資料である。
純粋に、JR西日本へ改善要求を働きかける目的だけで、事故調査委員会に原因徹底解明を求めている遺族がどれだけいるのだろうかと心配になってしまう。
( 徹底解明を求めるのは、裁判で賠償請求するのに有利な証拠資料が単に欲しいだけの人がほとんどでは無いかとすら感じてしまう。杞憂であって欲しい。 )

それから加えて書くならば、そのような会社になったのは、何もJR西日本自身だけのせいではない。
安いからと利用する鉄道を変える人が無視できない数がいる事、気ままだからと鉄道では無く自動車を利用する人が相変わらず多い事、多くの鉄道路線が利用者本位ではなく為政者ら一部の人が潤う道具にされてきた事、そして、そういう事態を看過してきた政府( 社会基盤を担う会社が利益至上主義になる事を止められなかった責任 )や国民( 政府など為政者の怠惰な状態を止められなかった国民。私も当然含まれる )が多い事が背景にある。
ここ最近、まだまだ地方レベルであるが、滋賀県や宮崎県の知事選のように、盲目的ではなく、考えて投票する選挙者が増えてきている。
今すぐにでは無いが、社会改革の時は意外に早いかも知れない。

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