2011-09-24

ドラえもん電車と悪法と現代日本

「小田急F-Train」が条例に抵触、9/30でラッピング終了 - 車内装飾は継続

小田急電鉄は22日、通勤型電車3000形にラッピングを施した特別電車「小田急F-Train」について、9月30日でラッピング装飾を終了すると発表した。
「小田急F-Train」は、小田急線の登戸駅と向ヶ丘遊園駅を最寄り駅とする「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」のオープンを記念し、今年8月3日より小田急全線での運行を開始した...
マイコミジャーナル

テレビや新聞、ネットの報道を見ていると、ドラえもん電車を廃止する事を惜しむ声と共に、東京都の条例や融通の無さを批判する傾向が多い印象を受ける。
私もこの廃止は非常に残念であるが、悪法も法なりであって、法律や条令に従う事は法治国家として非常に当たり前で、仕方ないと思う。
この電車は夢を与えてくれるから法律を適用しないでドラえもん電車を継続して欲しいと言う気持ちは良く判るが、人間の気持ち配慮で例外ばかり設けていたら、法律の意味が無くなってしまう。
それがまかり通るなら、衛星放送を見ていない私は、視聴率ありきで内容が薄っぺらな地上波番組しか作っていない某放送局への放送受信料を払いたく無いし、そう思っている人もドラえもん電車廃止を惜しむ人より多いのでは?と思う。

この問題を追っていくと、いろいろ問題が見えてくる。
小田急電鉄は、幾多の改定はあるものの昭和24年から続く東京都の屋外広告物条例を軽視して、これくらいは問題無いだろうと関係役所への問い合わせもせず、法令遵守の意識が薄れていなかったのか?
東京都の屋外広告物法に従った看板等の設置は東京都の登録を受けた業者に限って許可いるようだが、悪徳業者排除の名目で同業他社の排除など利権問題が存在していないのか?
( 参考:東京都都市整備局:都市づくり政策 > 屋外広告物 )

自動車学校を卒業すれば自動車運転免許試験で実技が免除されるのと同様に、登録業者が設置した場合は広告審査が一部免除されるだけの登録業者制度だったら問題は少ないと思うが。。。

もしなら今回のドラえもん電車問題が発覚した時点で、小田急電鉄側が東京都に急いで登録申請を行って、東京都が直ちに審査を行う事ができて、ドラえもん電車の廃止を回避できたのではないかと思う。
もちろん申請書類は受理順に処理するという法令があったら無理であるが、法の適用範囲外なら日本の道徳的には反するかも知れないが、優先的に処理しても多くの国民や住民は理解してくれるのではと思う。

ドラえもん電車の広告条例抵触を最初に問題にしたのは、東京都の都市整備局なのか住民団体なのか広告業者なのかライバルの電車会社なのか分からない。
しかし、数キロ程度のオーバーなら見逃してくれる速度制限取り締まりの警官みたいに、ドラえもん電車を見て見ぬ振りをしていてくれたら、こんな事態にならなかったのに残念に思う。

悪法も法なり。
作られた頃は良くても時代にそぐわなくなった法律や条項はあるし、逆に必要なのに整備されていない法律もある。
戦前の国家・地域主義ではない、資本主義・個人自由主義の現代日本で、性善説的に政府・役所・企業・議員に白紙委任的に任せておける人は、お人好しなのか平和ボケなのか。

話は逸れてしまったが、これを機に東京都の広告条例の改善点や企業や国民の法律意識が高まると良いと願う。