2011-10-10

B6型2412号の今

ハードな毎日を抜け出したものの、かなり燃え尽き状態。
大井川鉄道を中心に開催されるSLフェスタに行く気力も残っておらず、3連休はのんびりモードです。
買い物で名古屋に出かける用事があった為、今年3月にリニューアルした名古屋市科学館に寄ってみました。

球体の天文館がカッコいいです。

ここにはB6型蒸気機関車である2412号や名古屋市電が屋外展示物になっています。
リニューアル工事中は見られなかったので、久々にその姿を見ようと思ったのですが。。。
なんと屋外展示場はリニューアル工事が継続中。

手前左側のネットの中にはが2412号が、手前右側のネットの中に市電があります。
蒸機の所にステップが取り付けられているので、今月10月末頃の工事完了後は外からキャブの中を覗く事ができそうです。
ちなみに、奧のネットの中にはH-IIBロケットが置いてあります。

せっかくなので、入館して理工館を駆け足で見学してきました。
以前、鉄道ジオラマや0系新幹線の運転室が展示されていましたが情報が古かったので、リニューアル後の科学館の展示に少し期待していました。
そして見事に期待は裏切られ、蒸機の模型が2輌と都市ジオラマだけに。。。

そのジオラマで動いていた車両は、N700と7000系パノラマカーくらい。
(もしかしたら地下鉄車両も動いていたかも。)
同じ名古屋市内にリニア鉄道館がオープンしたのだから仕方ないけど、単線の新幹線は非常に寂しいし、車載カメラを搭載して車窓を楽しめたら良かったのですが。

折角なので、以前撮影した写真を紹介。
先ずは、1998年5月に撮影した写真。


この頃は科学館の裏側で、人気(ひとけ)の少ない屋外展示エリアだったので、ゆっくり撮影できました。
10月末のリニューアル工事完了後の屋外展示は表側なので、ゆっくり撮影しようと思ったら休館日に行かないといけないかも知れません。
尚、銀塩フィルムのデジタルデータ化(フィルムスキャン)サービスで作成した画像なので、色が多少変です。

次にリニューアル工事開始後の2008年5月に撮影した旧理工館から見た2412号と市電の様子と0系新幹線運転室の展示。


天井が低い為、0系新幹線の運転室展示の苦労が偲ばれます。

2011-10-01

鉄道会社社長のあるべき姿を考える

JR福知山線の転覆脱線事故に関して、検察はJR西日本の前社長にATS設置を怠った事に過失があるとして刑事訴訟を起こした。
この話題を耳にした時、醜聞続きの検察が名誉挽回しようとして、JR西日本の前社長を「悪者」に仕立てているのではないかと感じた。

もちろん無実と無罪は別物である。しかし、日本は独裁者の思惑に左右される人治国家ではなく、「灰色なら白でなくても無罪」とする普通の法治国家である。
そんな国の検察がJR西日本の前社長を刑事告発するのであるから、ATS設置を妨害した等の証拠を見つけたと思ったら、小さな新聞記事を読む限り、単にATS設置に積極的でなかった事を過失にするらしい。

危険を予測しなかった事が罪?
では、この現場では転覆脱線事故以前に何回事故が発生していたのか?
何回も発生していながら放置していたのなら、その後の事故を予測せずに放置した過失は免れないだろう。
しかし、実際には運転手らが事故を起こさないように気を配り、全国報道されるような重大事故は発生していなかった。
たまたま何らかの理由で十分な気を配れなかった運転手が重大事故を起こしてしまったのだ。
他の会社では急カーブで事故があったから、予測して当然なのか?

子どもが犯罪を犯した時に「まさかうちの子に限って」と思う大人が多い日本において、自分の会社に限って、他社のような事は起こるはずがないと考えても仕方ない。

それでも危険を予測しろというなら、莫大な赤字を出し続けても安全装置をふんだんに設置できるように国営企業のままとすべきだった。
巨額赤字が問題として国鉄の分割民営化を是としたのは独裁者ではない。政治家というフィルタを介しているが、日本国民自身である。

いつから日本人は自分ができない事を平気で他人に要求するようになったのだろうか。
平和ボケして物事がきちんと考えられない人ばかりになったのだろうか。

例えて言うなら、鉄道会社の社長は、豪華客船の船長みたいなものである。
乗客が快適な船旅ができるように気を配る責任がある。
しかし、豪華客船の船長が自ら、全客室の清掃確認までする事が求められるだろうか。

船長は全知全能の神ではなく、限界のある人間である。
木も森も全て見る事のできる人間は世の中に居るのだろうか。
だからこそ、様々な責任者や従業員を配置して、それぞれに任せるのが普通である。

鉄道会社の社長も同じだと私は考える。
もちろん、前社長に過失がない訳で無いと私も思う。しかし、それはATSを設置しなかった責任ではない。
それは、運転手など現場の人間の声(ヒヤリハット)を吸い上げ、そこに潜む潜在的な問題を分析して経営陣に改善策を報告進言する組織を置かなかった責任であると私は考える。
終身雇用制度が崩れ、会社への帰属意識が薄くなった現代日本では、職場の人間関係の希薄化により、旧来の組織形態では潜在的な問題が上司や経営陣に伝わりにくくなっていると思う。
だからこそ、そんなヒヤリハット収集分析組織がインフラを担う大企業には必要だろうし、それを活用できる事が経営者の大切な資質だと私は考える。
そんなヒヤリハット収集分析組織を置かなかった事は刑事罰の対象ではないだろう。

また、社員監視にもなり得る組織に反対する者も少なくないだろう。
利益追求が求められる民間企業でありながらも、インフラを担う会社である鉄道会社。
利益と安全を両方追求する事は難しいが、「お客様は神様」の気持ちを忘れず、経営者・職員が一丸となって、より良いサービスを提供できるように頑張って欲しい。

言うまでもないと思うが、実際にはお客様は神様ではないので、乗客による鉄道職員への暴力や理不尽な要求に対して愚かな前例を極力作らないように、マスコミが愚かしく騒ごうとも毅然とした態度で対処して欲しい。