2010-11-06

鉄道の安全と記者会見

安全装置であるATSが制限速度を超えても作動しなかったとか、制限速度以下でも列車速度に起因する事故が起きたとしたら、安全問題として鉄道会社が原因や今後の対策を積極的に公表し、場合によっては謝罪会見を行って、鉄道会社の信頼性を上げるように努めとしたら良い事だと思う。

もちろんATSが作動しないような安全速度で列車運行するのが望ましい事であり、鉄道会社には努めてもらうべきである。
しかし、運転士も生きた人間である。長い運転中には一瞬集中力が途切れる事もあるだろうし、体調が崩れる場合(突然の腹痛や心臓発作など)もあるだろう。
( 家族や知人の事を思い浮かべるなど雑念が起こらず、寝食を忘れる程の集中力を日常的に何時間も持続できる人間が本当にいるとしたら、私は是非会って、そのコツを伺ってみたい。)

だからこそ、ダイヤが過密な都市部やカーブ・起伏の多い難所にはATSなどの安全装置が積極的に設置されるべきだし、企業の体力があるにも関わらず設置に消極的だとしたら非難されても仕方ないと思う。

でも、安全装置が正しく作動して列車事故を起こさなかったのに、感情的に非難する日本のマスコミと社会って異様だと思う。
確かに感情に訴えるような報道をすれば、視聴率・購読率が高くなるのは当たり前で、そういう報道をしたくなる気持ちは分からないでもないが。。。

また、JR西日本だけの事ではないが、本質的な問題点は「恥」として隠さず、会社全体で調査・対策に積極的に取り組んで欲しい。
確かに自分が起こした問題を上司や上層部に伝えるのは辛い。場合によって、当人は非難されても仕方ない。
しかし、個人や一部署の責任だけで終わらせず、会社全体の利益を考えて会社・組織に動いてもらいたい。
( うちの会社の取引先にも、そうあって欲しいと思う。)

JR脱線現場で非常停止、公表せず 速度超過ATS作動

...今月14日、快速電車が制限速度を超過して進入し、自動列車停止装置(ATS)が作動して、非常停止していたことがわかった。事故後、現場に設置したATSが速度超過で作動して電車が非常停止したのは初めて。JR西日本は非常停止について朝日放送(大阪市)が27日に報じるまで公表しなかった。
JR西日本は公表しなかった理由について「事故につながる具体的な危険性はないと判断した。公表すれば現場が萎縮(いしゅく)し、報告を妨げることにもなる」としている。...

asahi.com(朝日新聞社)

JR西の補助スピーカ配線を切断 奈良電車区で4件
JR西日本は4日、関西線の電車の無線用補助スピーカーの配線が切れていたケースが4件あったと発表した。人為的に切断されたとみられ、内部の人間が関与した可能性がある。同社は「妨害行為で悪質」とし、奈良署が器物損壊容疑で捜査している。...

47NEWS(よんななニュース)