2012-02-18

簡単な紹介「御代田のD51787」


DVD-ROM「御代田のD51787」は、しなの鉄道の御代田駅近く静態保存されているD51をいろいろな角度から撮影した7000枚以上のカラー写真と2500枚以上の寸法付き白黒写真を収蔵する記録写真集です。
静態保存機は保存状態が良い物が少なく、更に保護する為の柵や時間の都合などでなかなかじっくり心ゆくまで見る事ができないものです。
私は蒸機が日常生活のなかを現役で走っていた煙害時代を知らない事もあって、高機能だけど電子化が進みブラックボックス的な今どきの鉄道車輌より、非常にメカニックな蒸気機関車に魅力を感じます。
蒸機本やDVDでは力強く走行するカッコいいシーンを納めたものは多いですが、機関車のメカニックの魅力を伝えるものは少ないです。
またメカニックの魅力は梅小路蒸気機関車館などで好きな時に実際に見て触れてがベストですが、近所に住んでいない限り、いつでも気軽に見に行けません。

昨年11月から浅間縄文ミュージアムのショップなどで販売されているこのDVD-ROM作品は、そんな私にぴったりで、いつでも気軽に蒸気機関車を「覗いたり見つめたり」できる写真資料集です。
寸法付き写真も多いので、きっと鉄道模型製作されている方にも役立つ資料でしょう。

機会があれば、私は機関車を結構見ているつもりでしたが、意外に見ていないもので、こんな部品が付いているんだと感じる写真が山のようにありました。
よくぞ、こんな所を撮影したものだと敬意をもってマニアックな写真の数々。
ここに時々コメントを書き込んで下さる末吉様が撮影・編集された写真ですが、末吉様の並々ならぬ情熱を感じました。
( 余談ですが、本人は「もう鉄道ファンではない」との事ですが、そんな今がこうだとしたら、かつての「鉄道ファン」だった頃はどんなに凄かったのでしょう。)

良いことばかり書くと、最近流行のステマ(ステルスマーケティング)っぽくなるので、残念だった事も書いておきます。
それは、DVD内部のデータフォルダ名称やリンクの張り方がMS-Windows向けだった為、Internet Exploreでは見られましたが、最新のFirefoxではきちんと見られなかったです。
( Operaや古いFirefoxは使っていないので不明。)
具体的には、データフォルダ名称やリンクに MS-Windows独自のファイル管理で許可している半角スペースや半角¥マークが使われていました。
この結果、Windowsと親和性の高いIEでは問題無いですが、そうでないFirefoxではリンク先がうまく判別できなかったのです。

ちなみに、対策として、私はDVD-ROM内容をパソコンに取り込んだ上で、データフォルダ名称やリンク等を変更修正する事で最新のFirefoxで快適に見られるようになりました。
( 複数ファイルに跨がって検索置換できるテキストエディタを使い、半角スペースや半角¥が入っているフォルダ名やリンクを地道に修正しました。 )

大半の写真はサイズが1500x1000前後のあるので、UXGA(1600x1200)とか最近流行のフルHD(1920x1080)くらいの解像度がある大きめのモニターを使っているMS-Windowsユーザー向けになってしまいますが、蒸機メカニックに魅力を感じる方にお薦めの電子資料集だと思います。

2012-02-04

日本の常識は世界の非常識

今週は私が住む愛知でも肌痛いくらいの寒さでした。
私が子どもだった30年以上前は、普通に雪は降っていたと記憶しているから、これくらいの寒さも珍しくなかったと思う。
諏訪湖では4年ぶりに御神渡りがあったとか。
つい2、3年前まで日本中で「地球温暖化だ!」「シロクマ救え!」「CO2削減しよう!」って騒いでいたけど、某公共放送を始めマスコミ各社はすっかりトーンダウン。
そもそも、その頃でも世界的には温暖化が問題ではなく気候変動が問題であった。北極圏に近い地域では氷が減ったおかげで資源開発などが活発になった所もあったとか。

そんな「日本の常識は世界の非常識」って事は「地球温暖化」だけでなく、鉄道でもありますね。
列車の遅れが2、3時間ならともかく、2、3分遅れただけで謝罪のアナウンスが流れる程、鉄道ダイヤに正確さが求められる事は周知ですが、時々目にする「SLの火入れ式」も同様だと思う。

「SL久留里線100周年記念号」安全運行祈願( 産経ニュース、2012/02/02 )

JR木更津駅構内で2日、内房線と久留里線の開業100周年を祝って走る蒸気機関車「SL内房100周年記念号」のボイラーの火入れ式が行われ、関係者は運行の安全を祈願した。
...火入れ式で、地元の八剱八幡(やつるぎはちまん)神社の神主が祝詞を上げた。石炭とまきをくべたボイラーに火が入れられると機関車の煙突から煙が上り、本番に向けての準備を整えた。

発展途上国などの工業化が進んでいない地域ならいざ知らず、科学や工業技術力は世界トップクラスの日本ですが、ボイラーの火入れ式など節目の時に地元の神社の神主さんに祝詞を上げてもらう事は普通にあります。
中世ではない現代の欧米諸国で、ボイラーの火入れ式に神父や牧師を呼んで祝祷を上げてもらう事はないでしょう。

それを考えると、「科学は万能」と言う錯覚と傲慢に陥りやすい現代において、神主にお祓いしてもらうと言う風習は、まだまだ科学の及ばぬ未知の領域があると認める風習であり、八百万の国らしいし、自らの思いを謙虚にできる場として今後も大事にしたい日本の風習だと思っている。

そういう大切にしていきたい「世界の非常識」とは別に、変えていくべき「世界の非常識」の話題もありました。


取手駅のホーム床下に白骨遺体( スポーツ報知、2012/02/04 )

 茨城県取手市のJR取手駅のホームの床下で、身元が分からない白骨化した遺体が見つかった。2日午後2時40分ごろ、構内の調査をしていた駅員が発見して通報。...ホームの下にトンネルのようになっている空間があり、40メートルあまり奥に入った場所で、土の上の段ボールに横たわっていた。...

恐らくホームレスが雨露をしのぐ為に入り込んでと言うパターンだろう。
問題は亡くなった不幸な方がいる事では無く、その方が白骨化するまでの期間、相当な臭いがあっただろうが、駅員も駅利用者も気付かなかった事が問題である。

9・11や地下鉄サリン事件などの後、欧米先進国ではテロへの警戒を高めている。特に駅や空港、繁華街、議事堂や役所はテロの脅威に晒されやすいから警備は厳重と聞く。
日本でも大都市を中心に駅ホームからゴミ箱が撤去されたり、中が分かりやすい透明なゴミ箱に置き換えられている。

そんな状況の中で、多くの人が利用する駅ホームの下に、死体が白骨化するくらいの"長期間"、誰も中をチェックしない空間が存在すると言うのは、そこに時限爆弾を仕掛ける事が容易で有り、警戒心がなさ過ぎと言われても仕方ないだろう。

日本では、かつての"村社会"のように、小さな社会でお互いが過干渉気味だが、その結果、地域の治安が守られるような時代は過ぎ去っている。そして、各々の地域では国内外から善人・悪人を問わず多くの人が往来する事が普通の時代になっている。

"ここはアメリカでは無く平和な日本であって、まさか自分が利用している駅でテロはないだろう"という盲信は、通用しなくなっている。
特に都市部の鉄道各社には是非、駅ホームや車両基地を中心に警戒態勢を再構築して欲しい。どうしても警備費等がかさむなら運賃等に反映せざるを得ないだろう。
その時は、利用者が納得できるように情報開示はして欲しいし、利用者も単に運賃の額面だけで判断せずに、社会インフラである鉄道の維持の為にも利用を続けて欲しいと思う。