2010-01-24

いよいよ動態復元へ

編集長敬白: 2010年1月19日 C61 20号機を搬出。

本日、ついにC61 20号機の復活に向けた移動が行われました。36年にもわたって鎮座していた群馬県伊勢崎市華蔵寺公園遊園地からの搬出はたいへんな作業で、同遊園地は昨日18日を臨時休園として、園内の遊戯物を一部撤去するなど、大掛かりな準備作業が行われました。...


C61の動態復元に向けて搬出作業が行われたようです。
引用しているブログ記事にはいろいろ写真が掲載されていますが、搬出作業が如何に大変だったかが感じさせる写真もあります。
動態復元ひとつとっても、JR東日本やサッパボイラだけの問題でなく、多くの企業の支えがあってこそなんだな改めて感じさせられました。

現役としての蒸気機関車が消えた事に伴って失われた技術は多く、前照灯ひとつですら当時と同じ物が作れなくなったと聞いた事がある。
D51498を復元した時よりも更に作業は困難になると思うが、是非、困難を乗り切って欲しい。

4 件のコメント:

末吉 さんのコメント...

前照灯すら作れないという事はないでしょう。御代田町のD51はレンズが破損し、旧国電の屋根上に付いていた物が同じサイズという事で流用されています。厳密に言えば分割されているレンズの列、数、角度が違うと思われます。今の技術で勿論作れます。但し、型を作るのに金がかかります。何百個も作るのならコストも下がりますが。動輪を見た発電機(火力発電所等の発電機です)の技術者が「こんな物は今じゃ作れない」と言っていましたが、あくまでもコストの問題です。
単品の勝負ですから。あるコンピューター関連の会社は年に1,2台程度売れれば会社が成り立っていく商品を扱っていました。これは極端な例ですが。
同じものは作れる筈です。C57のテンダーのバネが何百万もしたそうですが、当時と同じ材質とか組み立てにこだわらなければ(今の材質の方が良い筈でこだわる必要もないと思いますが)もっと安く出来ると思うのですが。4組だけじゃしょうがないか・・・

jsasaki さんのコメント...

末吉さん、コメントありがとうございます。
ここで技術と言っていたのは、成形技術だけでなく材料を作る技術を含めてのつもりでした。
言葉が足らず、誤解させてしまって済みません。

ずいぶん前のテレビ番組で紹介されていたのは、前照灯のレンズでよく使われていたウランガラスが手に入らなくなり、同じ色合いや輝きをもったレンズが作れなくなったという話と連結棒のブッシュを作るのに必要な合金組成が分からず、最終的にかなりお年の旧国鉄OB技術者に支援してもらい合金ができたという話でした。

また、動輪に車軸をはめ込む装置は、C57などの大物に対応できるのはJR北海道に1機しか残っていないという話もありました。

それから何年も経ち、各地で蒸機の動態保存事例が多くなり、旧国鉄OBの方達を含め技術者の意識が変わってきているでしょうから、現在は番組放送当時と比べて技術継承の状況が違ってきているかも知れませんね。

末吉 哲 さんのコメント...

材質の問題ですが、同じ材料を使う必要があるのでしょうか?
外国でもこの事は話題に上る事があり、例えばボイラーを作り直す必要が起きた時、ボイラーは溶接ボイラーとなりますが、昔の製法とは異なっています。安全規制面から昔と同じボイラーは作れない。材質も現在の方がもっと良いものが使える、又は使わなければならないとされた場合どうしますか?
例えば、C62を再現して走らせたとして、外見は昔と同じ、但し、材質とか製作方法は昔と違う。この様な場合はどうなるのでしょうか。
昔使われた物を捜して付けなければ、と言うピュアリストから蒸気機関車が走っていればそれで良いという考え方迄の両極端があります。
尚、タイヤの焼き嵌めの機械は確かに苗穂工場にありました。現在使用できるかどうかは疑問ですが。梅小路ではB20のタイヤ交換は行なったようです。
アメリカの Nevada Northern RR では
小さな庫でタイヤの交換を行なっています。
工具を見たらこんなので修理をしているの?と驚きます。 タイヤはオイルに浸したボロ布を撒きつけて点火。緩めて交換するんだ、と言ってました。たかが4-6の蒸機でも、動輪直径は170㎝位あるのですから。
私が行った時は、軸焼を起こした動輪を外して修理していました。
そういえば、この工場で働いている方は殆どがヴォランティア、始めての人は自分の工具作りからやらされるそうです。レンチでも取っ手が1m以上の物がありますので。
Nevada Northern に関しては、暇になったら HP に載せる予定です。

jsasaki さんのコメント...

末吉さん、コメントありがとうございます。
確かに、動態復元の在り方は、何を主眼に置くかによって変わります。
今回のC61の動態復元は、学術目的での製造当時を再現する事ではなく、イベント列車牽引機としても動態復元です。
末吉さんの仰るとおり、安全性やコストが重視され、製造当時を再現する必要はないですね。

Nevada Northern RRでの多くのボランティアによる蒸機の保守能力はかなり凄いようですね。
大がかりな専用装置が無くてもタイヤ交換できると言う職人技的なノウハウの継承が今尚きちんと行われている辺りに欧米の底力の凄さを感じます。