2006-07-23

駅とバリアフリーとユビキタス

電子チップで車いす道案内 JR静岡駅で実証実験へ
静岡新聞

どこでもコンピューターやネットワークを使えるユビキタスネットワーク技術を利用し、静岡市葵区の地下街などで車いすの人に道案内をする・・・
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この記事にある話題は、直接鉄道に関わるわけではないが、駅施設などを障碍者にやさしいバリアフリー化するに欠かせない技術である。
こういう基礎技術は地味であるが、どんどん頑張って発展させていって欲しい。

ちなみに「ユビキタス」とは・・・元々、神はどこにでもいると言う神の遍在性を表す言葉である。

かつて、メーカーに依存しない理想のコンピュータ規格を作ろうとした日本のトロンプロジェクトがあった。そのプロジェクトではハードだけでなくOSを含んだ開発プロジェクトだったため、アメリカのコンピュータ業界から危険視され、非関税障壁と言うことでアメリカに潰された。
( 業界と言っても実質マイクロソフト社と言われている。ハードの規格を作ったIBMはトロンプロジェクトに協力していた。 )
そのトロンプロジェクトは、パソコン業界からは実質撤退し、家電などに使われる組込型コンピュータの世界で活躍している。組込型コンピュータは、データ処理能力の大きさよりも、リアルタイム性というか応答の素早さが重視されている。

経費削減・合理化の名の下にすすめられた人減らしは、確実に障碍者への負担増に繋がっている。( 例えば、JR東日本の音声対話券売機 )減らされた人に代わって、コンピュータを活用しようと言う流れの中で、組込型コンピュータに任される処理が多くなってきている。
最近のCPU能力は高いから大丈夫ではない。処理能力を高くすると、どうしても内部での処理が複雑になり、リアルタイム性が低くなるからだ。
いま必要とされているのは、ひとつの組込型コンピュータに何もかもやらせるのではなく、ネットワークで繋がる複数の組込型コンピュータに処理を分散・担当させるネットワークコンピューティングの技術である。
小さな処理を複数のコンピュータが行う事で、それぞれがリアルタイム性をあまり損なわずに、システム全体としての処理能力が上げられる技術であるが、まだまだ発展途上であり、実用化するには、数多くの実証実験・検証を行う必要がある。
車いすだけなく、多くの障碍者・老人・子供にとって有益である施設のバリアフリー化。それを助けるネットワークコンピューティング技術の早期実用化のために、静岡市だけでなく、他の自治体も実験協力をしていって欲しいと感じる。

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